本記事では、中学受験を検討している1〜3年生のお子様の保護者様へ、中学受験対策が本格化する前にどのようなことをしておくのが望ましいかについて記述しています。お子様の特性や興味関心にあったものと絡めながら、楽しく学習に取り組みつつ、よりよい備えの参考にしていただければと思います。

サクラサク、その日に向けて

お子様の特性や興味の理解

小学1年生から3年生の子供たちは好奇心旺盛で、新しいことを学ぶ意欲が高い時期です。この時期の子供たちの特性や興味を理解することで、効果的な学習方法や活動を提案することができます。

例えば、生物の図鑑が大好きだったり、国旗を覚えるのが好きだったり、お子様の興味関心をより深める工夫が大切です。ゲームのような受動的な楽しみではなく、具体物を使って能動的に楽しめるものがよりよいです。

まだ中学受験の学習が本格化する前にお子様の特性や興味関心を知っておくと、受験勉強開始後につまずくことがあっても、特性をうまく活用し壁を乗り越えることができます。

先取り学習

どんどん先取り!

中学受験対策は小学校3年生の2月から始めるのがベストです。大手の塾では東京・神奈川の受験が2月のはじめに行われるため、2月〜翌年1月のサイクルでカリキュラムが組まれています。 ここから基本的な知識や解法・そして論理的思考能力を問われるような問題に取り組んで行きます。 スタートまでに何もしなくて良いかというと、そうでは有りません。 これはやっておいたほうがいい、いままでこういうお子様がうまくいっていたという経験から中学受験準備において大切なことを3つ紹介いたします。

計算の先取り

小学6年生まの計算内容を先取りして学習することで、中学受験の算数対策を強化できます。 計算は以下のような単元が対象です。

足し算・引き算・掛け算・割り算とその筆算・四則演算 大きな数の処理(四捨五入)・小数の計算 分数(帯分数・仮分数・通分)・分数の計算 約数・倍数・公約数・公倍数・単位・単位の変換

また、計算は「速く」「正確に」がポイントです。 必ず、タイマーを使って時間を計りながら計算することが重要です。

よく、テストではできなかった問題が家ではできたという話を聞きますが、これは時間のプレッシャーがかかってないことが原因の一つだと思います。時間のプレッシャーに勝ちつつ正確に計算できるトレーニングを行えると良いです。

漢字の先取り

漢字の基礎をしっかりと身につけましょう。 基本的に、文章は漢字の読みと意味が分からなければ読むことができません。小4、小5で習う漢字をしっかり先取りしておくと、読むということの負担が大きく減り、文章の内容の理解に力を使うことができます。
中学受験ではお子様にとってたくさんの文章を短時間で読むということが大切になります。読むだけで疲れてしまうと問題を解く、正解を考えるというところまで行き着きません。 文章を読むための最小単位は漢字です。 漢字はまず読める・意味がわかる状態を目指してください。

また、よく書き順についてはどうしたらいいですかという質問をいただくことが多いです。 もちろん、漢字ドリルの正しい書き順に従うのがベストです。ですが、それが難しい場合はいつも同じ書き順で書いていればOKとしてよいです。

読み聞かせと音読

言葉の理解力や語彙力を高めるためには、読み聞かせや音読が効果的です。
読書と学力は因果関係なのか、それとも相関関係なのかという議論はありますが、いずれにしろ学力の高い子供ほど読書をしている傾向があるという論文が数多くあります。また、全国統一小学生テストで延べ1000名ほどの成績分析と、保護者面談をさせていただいた経験則でも、間違いなく読書習慣のあるお子様のほうが得点・偏差値が高いです。
読書は基本的には楽しんで行うものですが、そもそも本を読む・本は楽しいという経験がないとなかなか手を出さないと思います。
そこで、ぜひ読み聞かせを行ってお子様の「楽しい・面白い」の感情をひきだして上げてほしいと思います。
読み聞かせの際の工夫として一例を紹介します。 そのお母様は物語を読んであげて、ここからどうなるんだろうという場面にさしかかると、「喉がいたくなっちゃったから、また今度ね」と言うそうです。そうすると子供は勝手に先を読み始め、本が好きな子供になったそうです。ぜひ真似してみて下さい。

また音読について、お皿を洗いながら音読を聞いてあげているという声を聞きますが、より音読の効果を高めるために、以下の2つの点に注意して実践してください。

1、一字一句間違える事なく読む事
「てにをは」を飛ばすことや、勝手に付け加えること、語尾を変えるなどもNGです。 以前、「かこつける」を「かっこつける」と勝手に読み替えていたお子様がいましたがご存知の通り意味が変わってしまいます。自分が読みたいように読むのではなく、書いてあるとおりに読むことがたいせつです。そのため、洗い物をしながらではなく文章を一緒に見てあげながら、音読を聞いてみてください。

2、読み終わったあとに、内容について質問する事
この言葉知らないだろうなということや本当に登場人物の名前がわかっているかなということに関しては是非突っ込んで聞いてあげてください。例えば「三和土」や「縁側」など馴染みがうすくなっている言葉や、「男の子が女の子の髪の毛を引っ張る」というような好きの気持ちの裏返しで言動が変わってしまうことなど、ぜひ深掘りして話をしてみてください。

現実の色々なものに触れること

机上の学習だけでなく豊富な体験を

中学受験勉強の試験内容は、机上の学習で身につけたものが、どのように実社会と繋がっているかを問われる問題が多いです。例えば以下のような問題が出題されました。

自然の風がプロペラに当たって発電機の軸を回すのが風力発電で、風が強いほど出力は大きくなります。日本の風力発電施設は、海上に多く作る計画がありますが、それはなぜでしょうか。(出典:頌栄女子中)

はさみを使って紙を切る時、小さな力で切るためにはどのようにして切れば良いですか。やり方を答えなさい。(出典:大妻中)

つまり机上の学習ができれば良いだけでなく、実社会ではどのようなことが起きているのか、それは自分の学んだこととどのような関わりがあるかということにも目を向ける必要があります。

美術館や博物館で普段見ることができないようなものを見たり、旅行先で風景やその土地の食べ物を楽しんだりすることも重要です。またそのように大げさに考えなくても、スーパーにいって野菜や魚や肉がどこから来ているのか、季節によってラインナップがどのようにかわるのか、値段の変化はどうかなどの視点からなぜそうなっているのか考えるのもとても勉強になると思います。ぜひ試してみて下さい。

最後に

中学受験勉強が本格化する前にやっておくと良いことを列記しましたが、全部やらないと受験はうまく行かないというものでは有りません。
冒頭に述べた通り、お子様の特性や興味関心にあったものと絡めながら、まずは楽しく学習に親しんでいくことができれば良いと思います。 お子様方の成長を心よりお祈りしております!

もっと詳しく知りたい、質問があるという方は、下記お問い合わせフォーム、もしくは公式LINEアカウント(https://lin.ee/vu865hp)からお問い合わせください。
御希望がございましたら、お子様の様子を弊校にてヒアリングさせていただき、受験相談をさせていただきます。

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